けんちく部log。
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大分市内から高速で1時間ちょい。。
大分県中津市にある「風の丘葬斎場」
設計は世界的にも活躍する建築家 槇文彦氏
相模山首遺跡に隣接する「風の丘」という公園のなかに
周囲の環境にとけこむようなたたずまい。。。
丘に沿うようにコールテン鋼でできた大きな障壁の裏には待合室があり
周囲の丘やこの壁によって
外部または内部からの視線をみごとにコントロールしている。。。
エントランスは低めのコンクリートスラブで屋根がかかる。。。
有名な建築ではあるが、ここは葬祭場であり、火葬場でもある。。。
すこし見学をためらったが
受付で見学というと
「建築関係の方ですね。今日は自由に見学できます」
と、パンフレットをわたしてくれて
自由に見学可能。。。全国から見学者が絶えないのだ。
もちろんNGの日もあります。。。
運がよかった!
床からフワッと浮いた階段の様子。。。
外部の芝生が陽に照らされて 暗い室内から眺めるとホントに落ち着く。。。
待合の人たちの心をいやしてくれるような雰囲気がただよっている。。。
杉板のコンクリート打放し壁にスロープと階段の組み合わせ。。。
この建物がやさしい雰囲気なのは、この杉板模様のコンクリートのおかげかな。。
「安藤建築のきれいなコンクリート打放しなら、やや寒々しい雰囲気になったかも。。」
なんて感じながらすすむ。。。
お別れの場にむかうスペースには この中庭。。。
お祈りの場には いったん外へ放たれたこの外廊下をわたって進む。。。
お祈りの空間に入った途端に
「やられた!」
地窓からの光が外の水盤に乱反射して壁と天井に ゆらゆらと。。。
祈りの場にこの仕掛け。。。。これも計算されたものなのだろう。。。。
もう 圧倒されっぱなしです。。。
人の死について考え 感じる施設であるが、外部空間とのつながりかたや
公園全体のランドスケープと相まって、すばらしい空間となっている。。。
お別れのときに直面する人々の心をやさしく包み込んでくれる そんな空気が漂ってます。。
by一丁田